名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

『神田俊。「方違え」というのは存じてまして?』
「……なにそれ?」
『ふぅ。では特別に教えてあげましょう。方違えと言うのは、陰陽道から来た習慣です。外出先の方角が悪い場合、いったん別の場所に行くことで、進む角度を変えるのですわ。我が冷泉院家は由緒ある家なので、そういう古式ゆかしいものを大切にしているのです』
「で?」
『今からあなたの家へゆきます』
「……は?」
『か、勘違いしないように』
『わたくしが本来行きたい場所の方違えとして、たまたま、あなたの家の位置が最良と出ただけですわ。夕方まで滞在しますkれど、それはあくまで方違えのためであって、わたくしの意思とはまったく! これっぽっちも関係ありません。いいですわね!?』


タイトル:ラブ★ゆう 2(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :ななつきたかふみ:七月隆文
絵師  :みけおう
デザイン:?
編集  :?
キャラ :冷泉院撫子&神田俊 (32 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

レベル99だけどかしこさ40の女勇者が現実世界に。
運命と人と認識されている少年とのラブコメです。

さてさて本日の台詞解説。
ツンデレな言動はいろいろ目にすることも多いですが、方違えというのははじめてお目にかかりました(笑)
文章ではそこまでは書いていませんが、かの枕草子で清少納言は、「方違えに行ったのに、おもてなしのひとつもしないなんてありえねーわよ! わかってんでしょうね!?」(超意訳)と言ってるぐらいですから、暗にちゃんともてなせよという脅しが入っているのかもしれません。ともかく、人の家に押しかける理由としては非常に有効ではないでしょうか。